ディズニー映画紹介『バグズ・ライフ』
ピクサー制作、フルCGアニメーション「バグズ・ライフ」
今回ご紹介するのは昆虫たちが冬眠から起きる温かな春にピッタリ!アリの発明家、フリックと愉快なサーカス団員たちが繰り広げる虫の世界をご紹介いたします。(ネタバレ要注意です!)
ストーリー
物語の舞台は虫が暮らしている世界の中にあるちっぽけなアリの島、アント・アイランド。そこでは日夜、秋に備えてアリたちが食べものを集めています。長く途方もない日々にアリたちも女王の長女アッタ姫もうんざり。
そんな中、発明が大好きな主人公のフリックは、”一度に大量の食べものを集めることのできる稲刈機”を発明します。しかし、フリックの発明は大失敗!刈り取った稲穂が飛んで行った先はアッタ姫の元でした。
みんなの役に立ちたかったとは言え、二度も皆の邪魔をしたことからアッタ姫たちに叱られたフリック。しょんぼりと肩を落として島の外れへと向かいます。
その背中を追いかける可愛らしいアリがいました。名前は、ドット姫。アッタ姫の後継者とはいえまだ小さく飛ぶことの出来ない彼女は、フリックの発明に唯一憧れるアリです。”役立たず”そんな同じ悩みを持つ二人は意気投合。フリックは小石を種に見立てて、やがて大きくなるとドット姫を励ましました。
そんな時、どこからか警笛が鳴ります。天敵、バッタが来る警笛の音です。
刈り取られた茎の恨みか、引っかかった刈り取り機のせいで、みんなのように逃げることが叶わなかったフリックは、女王に命に従い慌てて食べものを運んだ結果、なんと今まで集めてきた食べ物たちを不幸にも”刈り取り機”によってすべて川に流してしまいます。
大慌てのフリックは、そのことを伝えるためにアッタ姫の元に駆け寄ります。ですが、間に合わずバッタ一味のボス、”ホッパー”が上空からやってきたのでした。
静かに歩くホッパー。
バッタである彼はアリの恐怖の対象です。
怯えて縮こまるアリたちを見据えて彼はこう叫びました。
『食い物はどこにある!』
________実は、アリが今まで集めてきた食べものは、アント・アイランドを守護してくれているバッタたちの食べものだったのです。
近寄ってくるホッパーに対し、上にありませんでしたかと震えた声で問うアッタ姫。それに対し、俺の目は節穴かとアッタ姫を威圧するホッパー。
まだ女王として教育途中であるアッタ姫は、どうして無いのだと詰め寄られた際、私のせいではないと責任を本蟻(?)に負わせようとします。ですが、指導者として全ての責任は上が負うべきだと、ホッパーはアッタ姫の不出来さを皆の前で露見させました。
ちっぽけなアリがバッタのために食料を集める意味を説明するホッパーに、陽気な弟のモルトがここで口を挟みます。なんと空気の読めないモルトは兄の”鳥に食われそうになった”失態を面白おかしく話し始めたのです。
あまりの間抜けさに今にも殴りかかりそうになったものの、今は亡き母親との約束を守り、モルトを殴れないホッパーは近くにいた別のバッタを憂さ晴らしに殴ります。
今一度、バッタは恐怖の対象なんだと理解させるため、奥から獰猛なサンパーと呼ばれるバッタが鎖に繋がれてやってきました。その凶暴な唸り声に怖がって逃げようとしたドット姫の頭を掴み、見せしめとして今にも噛みつきそうなサンパーへと近づけます。
誰もが助けられず固唾を呑む中、一匹のアリが列から飛び出ました。
勇気を持って、助けようとしたのはフリック!
その行動に対し苛立ちを隠せなかったホッパーは、罰として雨季が来る前、木の葉が全て落ちる前に今までの二倍集めろと無茶難題を押し付けて自分たちの住処まで戻っていきました。
バッタの一味が帰った後、フリックはついに裁判に掛けられます。重大な罪を犯してしまったからです。裁判官たちが会議をする中、まったく話を聞かないフリックはどうしたらアント・アイランドを守れるのか考え、閃きました。そう、助けを呼べばいいことに!
穴を掘らせたところで厄介な事件が起きるのは明白、半ば追い出される形でフリックの提案は許可されます。厄介もののフリックは、こうして”用心棒”を探しに旅に出たのです。
一方場面が変わって映ったのは、P.T.フリーが率いる虫たちのサーカス。イマイチ盛り上がらないサーカスに、ハエたちは酷評ばかり。
それもそのはず、どれも成功したことがありません。特にテントウムシのフランシスは、自分をメスに見間違えた客のハエに怒りくるって暴言まで吐いてしまいます。
次々と団員を出してみたものの、一度落ちた信用は取り戻せません。ハエたちは魔術を披露しようとしたカマキリのマニーに対しても、おいぼれ扱いしベリーをぶつけて帰ろうとします。
焦ったノミのP.T.フリーは、とっても危ない大技を披露すると豪語しました、その名も“地獄の炎”。ダンゴムシのタックとロールを間一髪のところでクモのロージーが助けるというシナリオです。しかし、常より自由な彼らが目隠しをしたところでうまく行くことはなく、タックとロールのど突き合いを皮切りに全てが崩れてしまいます。
ガムテープへとくっつく団長に迫りくる炎。周りにいる団員たちは何も出来ずに大混乱!!
間一髪、もがいてガムテープから逃れたものの、そのままガムテープが倒れてしまいなんと大炎上してしまいます。観客のハエたちはそのギリギリな催し物に喜んでくれましたが、度々に重なる失敗で団長のP.T.フリーはカンカン!団長を燃やしかけた団員たちはその場で全員クビにされてしまうのでした。
何週間も歩いたフリックが訪れたのは、虫たちが集まる繁華街。都会の虫たちに田舎者のフリックは圧倒されてしまうものの、なんとか強そうな虫が集まりそうなバーを見つけます。
実はそこには涙のお別れ会をしていた団員たちもいました。色々な虫を勧誘しているフリックを尻目に彼らは乾杯をしています。その時、先程フランシスと口論したハエたちが、大きな大きなお友達を連れてやってきました。
強そうなハエを前に真っ向から勝てないと悟ったフランシスはナナフシのスリム、イモムシのハイムリックと共にお芝居“ロビン・フット”を演じることに決めます。大きなハエには全く通じなかったものの、喧騒の中後光と共に現れた英雄のようなフランシスにフリックは大喜び!
双方勘違いしたまま話が進んでしまいます。
アッタ姫のいるアント・アイランドへ戻ったフリック一行。普段アリかバッタしか見たことのないアリたちは、驚いてすぐに隠れてしまいます。しかし掛けられたのは、バカにしていたあのフリックの帰還を知らせる声。
戸惑いの声であふれる中、”新しい職場へのオファー”だと勘違いをしているフランシスは、みんなに追い出されないように「ガツンと決めるぞ!」と皆を鼓舞してくれます。
長い間、自分たちを苦しめていた怖いバッタから解放されると喜ぶ声と、歓迎の意を込めて披露される音楽たち。その中でも子供のアリたちは、とっても大きな葉っぱに描いた”戦士たちの絵”と”劇”を見せてくれます。ですがリアルさを求めた結果、なんとハイムリックは無残にも血みどろのぶつ切りに。サーカスのオファーだと思ってた団員たちは、フリックを詐欺師扱いして帰ろうとしてしまいました。
アッタ姫には疑われ、団員たちには逃げられるフリック。慌てて自分を殺してくれとお願いするフリックですが、頭のおかしいやつ扱いされてまともに取り合ってくれません。
スリムの足にくっついてどうにか後を追おうとしたものの、目の前にはなんと大きな鳥の巣。悲鳴を上げて逃げ出したフリックの逃げ足の速さに、関心していた団員たちも背後から聞こえた鳥のさえずりに一目散に逃げ出します。
その時、ドット姫の叫び声が聞こえました。
フリックたちの様子を窺っていたドット姫はフリックを助けようとした結果、うまく飛べずに綿毛と共に落ちてしまったのです。
鳥に煽られ、地面に落ちていくドット姫。叫び声に気付いたフランシスが受け止めてくれましたが、落ちた衝撃で気絶してしまいました。
焦るスリムを尻目にフリックはその賢い頭を巡らせ、ハイムリックをおとりにディム、ロージーと救出する作戦を思いつきます。ところがどっこい、ハイムリックはふくよかなそのボディのせいでなんと隙間に挟まってしまいました。
そんなハイムリックを助けるため、マイマイガのジプシーが綺麗な羽根を広げて誘導してくれます。……が、鳥の目線の先には重さのせいでうまく飛行できていないフリックたち。
鳥に追われる中、ギリギリ木の中に飛び込みます。大きな鳥は流石に分が悪いと思ったのか、どこかへ飛び去って行きました。
安堵の表情を浮かべる元団員たちに待っていたのは、待ちに待った大喝采。サーカス団の時には味わえなかった高揚がそこには待っていました!
最年少のドット姫を助けたことにより、なんとフランシスはブルーベリーズのリーダーに!
喜びムードの中、一人浮かない顔をするアッタ姫は、フリックを連れ出し心境を吐露します。肝心な時に何もできない事を皆に責められているんじゃないかということ、女王の器としてふさわしくないと思われているのではということを、今まで辛く当たってきて申し訳ないというお詫びと共に。
そんなことないと励ますフリックに対し、償い切れないと悩むアッタ姫は戦士たち(元団員たち)の補佐官になってみたらどうかと先程の救出劇を思いだしてフリックに伝えます。
あのホッパーでさえ恐れる鳥から、ドット姫を救ってくれた話を。
そう、アリより体格が良いとはいえ、ホッパーなんて鳥から見たらただのちっぽけな餌。ホッパーも鳥が苦手なのです。
その時、フリックは閃きました。戦わずしてホッパーを打ち負かす方法に……!
長くなってしまいそうなので、今回はここまで!ここからどう物語が進むのかは、ぜひご自身の目で確かめてくださいね🌻
最後に
バグズライフはトイ・ストーリーを制作したスタッフたちの、お昼休憩中に浮かんだアイデアで制作されたそう。イソップ寓話の『アリとキリギリス』や1954年に公開された日本の映画『七人の侍』をモチーフとして作られているみたいですね!
実はフリックの声を務めた宮本充さんとホッパー役の壤晴彦さんは、ライオンキングのシンバとスカー。アッタ姫にはデイジー・ダックやアリスを演じている土井美加さん、ハイムリック役にはグーフィーを演じていた島香裕さんなど、ディズニーがお好きな方にとってとても身近な声優さんたちが起用されています。バグズライフをご覧になった方の中には、どこかで聞いたなと思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?
小さなアリが自分よりもずっと大きなバッタを相手に立ち向かう物語、バグズライフ。1998年に制作されたとは思えないほどの綺麗な映像や動きの滑らかさは必見です👀虫が苦手という方も、彼らの世界を覗いてみれば、なにか考えが変わるかもしれませんね。
最後まで閲覧ありがとうございました!ワクワクの結末は是非、ご自身の目で見届けてください!