【ディズニー100周年 Story】1944年~1963年
みなさまこんにちは。
前回に引き続き本日は1944年から1963年までの歴史をご紹介いたします。
どうぞ最後までお付き合いくださいませ。
1944年:実写とアニメーションを融合させた『三人の騎士』
アメリカより1年先にメキシコで公開された『三人の騎士』は、実写映像とアニメーションを融合させた作品です。
ディズニーでは1923年から『アリス・コメディ』で実写映像 + アニメーションの作品を60本近くも制作しています。
それから約20年の時を経て制作された『三人の騎士』は、ウォルト自身が実際に行ったラテンアメリカでの体験などを元に制作されており、ドナルドやホセ・キャリオカ、パンチートなど愉快なキャラクター達と人々がこれまで以上に自然に話しをしたりダンスをしたり、こころが弾む作品になっています。
1945年のアカデミー賞では作曲賞と音響賞にノミネートされるほど長編アニメーションではありませんが、ミュージカル作品としても楽しめる作品です。
1950年:ディズニーにとってもまさに ”シンデレラ・ストーリー”
世界初の長編アニメーション『白雪姫』と同様、『シンデレラ』も童話を元に制作されました。
ウォルトは構想に30年近くもの月日をかけ、途中戦争などで中断しながらも制作に5年をかけ1950年に公開されました。
シンデレラや継母トレメイン婦人などの登場人物はもちろんのこと、ディズニー作品で人気の高いオリジナルのキャラクター達、屋根裏部屋に住むネズミのジャックやガス、意地悪な猫のルシファーや犬のブルーノなど個性豊かな動物たちもこの作品をヒットに導いた大きな要因です。
またフェアリー・ゴッドマザーがシンデレラに魔法をかける「ビビディ・バビディ・ブー」はアカデミー賞の歌曲賞にもノミネートされ、ミュージカル作品として劇場公開だけでなく、後に発売されたビデオの売り上げでも大ヒットを記録する作品になりました。
1951年:ふしぎの国のアリス
イギリスのルイス・キャロルの児童文学を元にした『ふしぎの国のアリス』は1951年に公開されました。
物語で描かれるヘンテコなふしぎの世界をディズニーアニメーションにしましたが、「プリンセス」のストーリーを期待していた人々には残念ながら当初あまり受けが良くなかったようです。
ですが再上映などで、ふしぎな物語と楽しい映像に引き込まれる人が増え、「アリス」 = ブルーのワンピースに白いエプロン、と誰もが思うほどディズニーアニメーションの影響は大きく長く続いています。
1953年:いつまでも子供の心を忘れずに….『ピーター・パン』
この作品も戦争で制作が途中でストップしましたが、『ふしぎの国のアリス』と同じ時期に進められていました。
フック船長の鉤爪が原作と左右異なったりしますが、ディズニーの影響は大きく公開後の他の作品でもディズニーと同じく左にすることが増えました。
またディズニーを支えた9名のアニメーター「ナイン・オールドメン」が制作に揃って携わった最後の作品となりました。
1955年:わんわん物語
1955年に公開された『わんわん物語』はこれまで童話などを元に制作されたアニメーションと異なり、オリジナルストーリーの作品です。
スタッフの飼っていたコッカー・スパニエルを主人公に作品を作りたいと思ったウォルトでしたが、なかなか制作は進みませんでした。
数年後、偶然読んだ小説に登場するような気ままなキャラクターを取り入れたら面白くなるのではないかと思い原案の製作をスタートします。
様々なスタッフのアイデアで数々のキャラクターが生みだされたオリジナルストーリー『わんわん物語』が誕生します。
レディとトランプがスパゲティを食べるシーンはあまりにも有名ですが、映画史に残る最高のキスシーンにも選ばれるほどロマンティンクな作品です。
1959年:豪華絢爛な作品『眠れる森の美女』
1959年に公開された『眠れる森の美女』はウォルトが亡くなる前に童話を元に制作された最後の作品となります。
チャイコフスキーのバレエ音楽を使用するなど新しい試みを取り入れています。
またその中でも今までのフィルムのサイズより高画質の70mmを初めて使用して制作された作品です。
ディズニーアニメーションの中で制作にかかった年月も費用もアニメーターなどスタッフも、最も豪華で贅沢な作品になりました。
全て手描きで原画からセルにトレスしたセル画が使われた最後の作品となりました。
1961年:101匹わんちゃん
1961年に公開された『101匹わんちゃん』は、新しく “ゼログラフィック” という印刷の技術を取り入れ、ディズニーアニメーションの歴史においてもとても重要な変革のあった作品です。
これまではアニメーターの描いた原画にセルを置いてそれを全て1枚ずつトレスしていましたが、この “ゼログラフィック” という技術で輪郭だけは転写することが可能になりました。
これまで1秒間に24コマの絵を必要としていたディズニーのアニメーション制作には膨大な人手と時間が必要でしたがこの技術のおかげで制作コストが抑えられました。とはいえ、ペイントは1枚ずつ手作業でしたのでこれまで同様、温かみのある作品に仕上がっています。
ダルメシアンのブチの数が650万個近く描かれている!!という逸話もあります。
ディズニーアニメーションでは、作品に奥行を出す “マルチプレーン・カメラ” や”ゼログラフィック” など、画期的な新しい技術を使って数々の作品が制作されていきます。
さて今回は40年代後半から60年代にかけての作品についてご紹介させていただきました。
100周年をむかえるディズニーの歴史はまだまだ続きますのでどうぞお楽しみに!!