【colum】絵画の種類
いつもEDOM TIMESをご覧いただきありがとうございます。
おうち時間が長い昨今、あいている壁に「アートを飾る」ことをご検討いただいているお客様から、絵画についてのご質問が増えてきました。
今回は、簡単に絵画の種類についてお届けいたします。
少しでもご参考にしていただけたら幸いでございます。
油絵
油絵具で描いた絵を「油絵」といいます。
油絵具は、原料を油で練った絵の具です。水を一切含まず、薄める時には油を足して薄めるため、光沢感や重厚感、透明な表現や盛り上げなど、表現の幅が広いのが特徴です。絵を描くのに使用されるのは「乾性油」、「揮発性油」というものです。油絵の一番の魅力は、「存在感、重厚感」です。
たくさんある絵の具の中でも、表現が一番広がる画材と言われています。油絵具を用いた技法を確立したのは、15世紀ごろのフランドル地方の画家たちと言われていますが、顔料などで描画した上からニスのように油性成分を用いたのは、紀元前より前に行われていたといわれています。
油絵作家と言えば、ヨハネス・フェルメールやフィンセント・ファン・ゴッホなどが有名です。
水彩
水彩絵の具で描いた絵を「水彩画」といいます。
水彩画は、水で絵の具を溶きます。水彩画の透明な絵の具は、塗り重ねても下の色が透けて見えるため、重ねれば重ねるほど濃くなり、1度濃くした色は明るくなりませんが、透明感のある優しい作品に仕上がります。
水彩画に近いものは、15世紀のアルブレヒト・デューラーの作品などで確認できますが、現在のような水彩絵の具と呼ばれるものは、1790年代のイギリスで生まれ、工業化の進む当時に石けん工業の副産物としてグリセリンが発見されたことなどが深くかかわっています。
水彩画の画家と言えば、ポール・ゴーギャンやポール・セザンヌが有名です。
水墨画
水を使った「墨の画」のことで、淡い色彩が付けられる場合もありますが、墨の色一色で描かれた絵画です。
水墨画は、黒一色でありながら対象物から無駄を省き、空間を巧みに配置して多彩な技法を用いて描かれます。
黒と白のモノトーンの世界は、日本人の心に深く根付く「わび、さびなどの渋さ、質素さを好む文化」「茶道、華道にみられるもてなし、心を落ち着かせることを愛する文化」に通じており、日本人を魅了し続ける絵画です。
実際に国宝級として指定されている作品があり、作家によってはその高い感性から作られた水墨画を評価されている人も数多く存在しています。
墨で描かれただけの絵画は、8世紀の奈良時代にすでに描かれていますが、水墨画の特徴である墨の濃淡やにじみ、ぼかしなどの技法を使って描かれた水墨画は、鎌倉時代後半から室町時代にかけて禅宗とともに中国から日本に入ってきました。
日本の水墨画家と言えば、吉山明兆、如拙、周文、雪舟などが有名です。
アクリル画
アクリル絵の具で描いた絵を「アクリル画」と言います。
アクリル絵具は水彩絵具と同じような感覚で、水で溶いて描く絵具です。
加える水の量を調節することで、透明水彩風にも不透明なガッシュ風にも仕上げられるのが特徴で、水彩絵具や油絵具と比較すると歴史の浅いアクリル絵具ですが、表現の幅が広いことからアーティストはもちろん、デザイナーや様々なジャンルの作家が使用し描いています。
また、色々な素材に描くことも可能な為、絵画のみに留まらず身近な素材に絵付けするなどのクラフトアートも楽しめます。
1920年代、メキシコの画家たちがビルに大きな壁画を描こうとした時、対候性のあるアクリル樹脂をなんとか使えないかと画家や科学者たちが考えるようになったのが発端です。
1930年代にアクリル絵の具が製造されるようになりましたが、アクリル樹脂が高価だったため、絵画用の絵の具としてはほとんど使われていませんでした。1950年代になり、ようやく絵の具として一般的に浸透しました。
アクリル画と言えば、アンディー・ウォーホール、ロイ・リキテンスタインが有名です。
パステル画
パステル画は、クレヨンに似たチョーク状のパステルで描かれた絵のことです。
パステルカラーと呼ばれる明るく淡い色調とぼかしやグラデーション効果を使い、美しく軽いタッチの絵画です。
重ね塗りもできるため、油絵のような重厚感ある絵まで幅広く描けます。絵画のほかに、デザイン、デッサンなどに用いられることも多く、粉末性質であるパステルは固着力が弱いため、作品完成後はフィキサチーフなどで粉を定着させる必要があります。
パステル画は、もっとも古い起源としては、紀元前9世紀のギリシャ時代にカウスティークと呼ばれる絵の具で描いた絵画が起源という説があります。
日本へは大正初期の20世紀初めに、アメリカへ図画教育視察に行った東京美術学校の教授によってクレヨンが持ち帰られ、小学校の教材として活用されました。この時代から日本でも描き始められたと言われています。
有名な作家は、エドガー・ドガ、オディロン・ルドンです。
ザっと絵画の種類をお送りいたしました。
油絵とアクリル画と両方使用して描く画家もいるので、絵画はとても奥が深く、ここでは書ききれないことがありますが、また追い追い、記事にしていこうと思いますのでお楽しみに!
皆さまのお部屋がアートでますます心が潤いますように♪